ナトリウムとカルシウムは、主に細胞外液(組織間液、血漿など)にあって、浸透圧の関係から細胞内液の水を奪うように働くので細胞を収縮させる、締める、縮める作用があります。
これに対してカリウムとマグネシウムは、主に細胞内液にあって、同じく浸透圧の関係から、細胞外液から細胞内に水を奪うように働くことから細胞を膨張させる、緩める、弛める作用があります。
細胞が正常に機能して、生命活動が滞りなく維持されるためには、細胞外液の浸透圧は常に一定に保たれていることが必要なのです。
次にナトリウムとカルシウムの相違点ですが、ナトリウムはカルシウムよりも水に溶けやすい為に吸収も早いが排出も早く、酸の中和作用はカルシウムの半分位です。
このことから、細胞を締める、縮める作用は、ナトリウム1に対して、カルシウムは約2の強さとなります。
またカリウムとマグネシウムの相違点ですが、カリウムはマグネシウムよりも水に溶けやすい為に吸収も早いが排出も早く、酸の中和作用はマグネシウムの半分位です。
このことから、細胞を緩める、弛める作用はカリウム:1に対してマグネシウム:約2の強さを持っています。
家庭にあるナトリウムと云えば食塩ですが、しめ鯖を作るときに酢と共に使い鯖の身を締める作用を示します。
これを人体に応用しますと、悪酔いしたときや、誤って毒物を飲んだ時に、吐かせる目的で飽和食塩水を飲ますのは胃袋を縮めて吐かせるためと説明できます。
この逆で緩める目的に、カリウムが使用されます。
我国古来からの調理法として有名な芋蛸、芋棒鱈、豆昆布は、蛸、棒鱈、乾燥昆布という堅い食物をカリウム分の多い芋類、豆類、野菜と共に煮つけ、カリウムの軟化作用によって、おいしく食べることができるようになるのです。
西洋料理のシチューも、堅い肉を、野菜類のカリウムで柔らかくする調理と言えましょう。
これを人体に応用しますと、硝酸カリウムが胃痙攣、胆石痛、生理痛などの、けいれん性疼痛に広く応用されることが理解できます。
「八面体質論におけるミネラル、ビタミンの役割図」に示しますように、ナトリウムとカリウムを対にして、陽(男)、陰(女)に配します。
またこれに直角に交わるようにカルシウムとマグネシウムを対にして配します。
八面体質論におけるミネラル、ビタミンの役割図
カルシウムは虚弱体質の改善更には成長促進に使われます。成長促進作用は、老化作用にも繋がるものと考えます。
これに対してマグネシウムは、血液の浄化や若返り作用を持ち、カルシウムの老化作用に拮抗するものと考えます。
先に老面は日本人に少ないと述べましたが、これは日本の土壌は酸性が強く、水は軟水でカルシウム分が少ないことに関係しています。
老面は硬度の高い、中でもカルシウム分が多い地方に多く見られるのです。
一方日本人が硬水地帯の西洋人からは、年の割に若く見られることが多いのですが、これはカルシウムが少ない反面日本の伝統食(大豆やヒジキなど)にはマグネシウムが多い結果が現れたれたものと考えます。
動物実験では、マグネシウムの欠乏は老化を促進し、短命となることが明らかになっています。
更に亜鉛と鉄を、それぞれ男性、女性ホルモン作用に特に関係するものとしてナトリウム、カリウムと同じ位置に配しています。
亜鉛は、多くの酵素の成分となっていますが、特に精液中に多量に含まれています。
ここで少し日本人の伝統的食生活について振り返って見ましょう。 春にはマグネシウムの多いホウレンソウ、シソ、ヒジキ等を食べて、冬の野菜不足から来た宿便を下し、夏にはカリウムの多いスイカ、キウリ等のウリ類を沢山食べて利尿・発汗し、体温を調節し、暑気に負けないようにしました。秋にはカルシウム分が多いクリ等の木の実を沢山摂り、冬の寒さと新鮮な野菜不足に備えて体力を蓄えました。冬の食べ物は、野菜、魚、肉の塩づけです。ナトリウムが多くなりますが、ナトリウムには防尿して体温を下げない作用も期待されます。ミネラルから見て、季節に合わせた、自然に沿った食生活であったように思われます。
ここでミネラルについて重要なことを付言しておきます。 その第一はミネラルバランス、第二はミネラルを過剰に摂取した時には 害なってしまう場合があるということです。
「八面体質論におけるミネラル、ビタミンの役割図」に示されるミネラルも全てミネラルバランスにおける各ミネラルの相対的な効力を示したものです。 例えばナトリウムは男面に配されていますが、これはナトリウムだけが男面において絶対的な効力をもつことではなく、他のミネラルに比べて比較的役割が高いことを示したものです。 ナトリウムとカリウムの摂取バランスは、出来うれば1:1、少なくとも2:1が望ましいと言えます。
また食塩(ナトリウム)の長期間に渡る過剰摂取は、高血圧症が起こる危険性を高めることはよく知られているところです。 カルシウムの成人1日所要量は600mg、マグネシウムのそれは300mgとなっていますが、この比率2:1の割合で摂取するのが骨の形成など人体に最も適切でバランスが良いからです。 (図では触れていませんが、骨の形成にはリンも重要な成分となります。 カルシウムとリンの比率は1:1が良いのです。 インスタント食品やスナック菓子には、ミネラルが除かれ、リン化合物が多くなっているのが問題となります。 過剰のリン化合物はカルシウムの腸管吸収を妨げます。 この種の食品や菓子を多く摂られる方は、カルシウムを初めバランスのとれたミネラルの補強をお考え頂きたいと思います。)
カルシウムの許容上限量は成人1日2,500mgとなっています。 カルシウムのみを摂りすぎても効果は低く、摂取量に限度があることを示しています。 体内に過剰に取り込まれたカルシウムが排泄される時には、同時にマグネシウムやカリウムまでも排泄されてしまいミネラルバランスが崩れてしまうからなのです。
コレラは激しい下痢や嘔吐で、1日に10Lもの大量の水が失われ死にいたる恐ろしい病気です。 これは水と共に大量のミネラルが無くなることも大いに関係しています。 コレラの治療に使われる輸液は、水分の補給と合わせて体内のミネラルバランスを回復させる適切な濃度のナトリウムやカリウムなどのミネラルを含んでいることが大切なのです。 また亜鉛の成人1日所要量は10mg前後ですが、許容上限量は30mgで、所要量と許容上限量との差は大きくないのです。 亜鉛の過剰摂取は有害なことも理解しておきたいものです。
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