生活習慣病と活性酸素

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生活習慣病

食事習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、発症・進行に関係する病気となります。具体的には、高血圧症、循環器疾患〈狭心症、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞〉、糖尿病、高脂血症、肥満、大腸ガンや肺ガンなどがあげられます。国民の死因の実に2/3を占めると言われています。油こい食事による大腸ガン、喫煙による肺ガン、大量のお酒によるアルコール性肝炎などはストレートに理解されますね。
生活習慣病は少し前までは成人病と呼ばれていましたが、これは中年以降に発生が増えてくることに注目した分類です。しかし成人病の発生には個人差が大きく、生活習慣に着目した方が適切ではないかとの考え方によるものです。若い時から生活習慣に注意して発病を防いでいこうとする積極性が感じられる言葉です。言い換えますと生活習慣の中から危険因子を除いて行こうとすることになります。
糖尿病の患者さんは、通院されている方が200万人(医療費は年間1兆円)、通院されていない予備軍を含めると700万人、また高血圧症の患者さんは、通院されている方が650万人(医療費は年間1兆6000万円)、予備軍を含めると3,000万人を超えると言われています。
生活習慣病の特徴は、病気が長期、慢性的になることに加え、合併症、後遺症が多いことです。糖尿病を例にとりますと、合併症では肥満があげられますし、後遺症では網膜症、腎症、神経障害となります。

活性酸素

動物は、ご承知のように、呼吸を通して酸素をとり、体内でブトウ糖や脂肪等の栄養素を燃やして生活のエネルギーを得ています。しかし酸素のとりすぎは生命にとって害となります。
単位体重あたりの酸素消費量が大きい動物ほど寿命が短いことが知られています。
酸素消費量の大きい順に、大よその寿命はハツカネズミで2年、ウサギ5年、イヌ10年、ウマ40年、ゾウ100年と言われています。また以前に失明問題が多発した未熟児網膜症は、保育箱中の高い酸素濃度が原因でした。酸素は毒素としても働き、体の構成成分を酸化してしまう、鉄で言えば体を錆させてしまうわけです。この悪玉酸素が活性酸素と言われます。
呼吸を通して酸素をとる以上、活性酸素の発生は副産物として避けられないものですが、酸素のとり過ぎには注意が必要と思われます。
人間は1日1kg(773L)、1年368kg、80年で30トンの酸素をとると計算されています。
この肺からとり込まれた酸素の1%ほどが活性酸素となると考えられています。80年間の活性酸素量は294kgと計算されます。
活性酸素が生活習慣病に深く関係していることが、だんだん明らかにされてきました。
活性酸素の種類としては、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、過酸化水素、一重項酸素等があります。はじめの2つはフリーラジカルといわれ、特にヒドロキシラジカルは酸化する力が強力です。
ただし活性酸素の全てが悪玉ではありません。白血球、免疫細胞は体内に侵入した病原菌やウイルス、また体内に発生したガン細胞を攻撃しますが、この主要な武器は活性酸素となります。
これらの有害物を活性酸素で酸化して殺すわけです。
活性酸素によって酸化を受ける主な生体成分は、細胞膜の主成分となるリン脂質、タンパク質及び遺伝子となるDNAです。活性酸素の酸化による傷は、リン脂質では血管の変性などに、タンパク質では酵素の機能障害などに、またDNAでは細胞のガン化につながって行くと考えられます。

活性酸素に対する防御システム

酸素をとる以上活性酸素の発生は避けられないところですが、人間の体には活性酸素の害を防ぐ巧妙なシステムが備えられています。その第一が活性酸素を無害とするSOD(スーパーオキシドデスミュターゼ)、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ等の酵素です。
また過酸化水素は、鉄イオンや銅イオンで酸化力の強いヒドロキシラジカルに変わりますが、これら金属イオンの活動を防ぐフェリチンといわれる酵素群も第一のシステムに含まれます。第二は傷ついたリン脂質、タンパク質やDNAを修復する酵素群となります。
活性酸素を無害とする酵素の主役はSODとなります。
人に多いSODは、銅、亜鉛を含んだ分子量3万ほどの酵素ですが、経口投与は消化液で分解されてしまうのでできません。
SODの力は年をとるにしたがって低下して行きますが、米国国立老年病学研究センターのヒトを含めたサル類の研究によりますと、SOD活性が高いほど長寿であることが認められています。
このSODの活性はビタミンEによって補助され、またビタミンEの効力はビタミンCによって強化されることが解っています。これらの抗酸化ビタミン以外にもさまざまの抗酸化物質が体の中で有効に働きます。

動脈硬化症(活性酸素と生活習慣病の関係を示す一例)

活性酸素は数々の生活習慣病に関係していますが、ここでは動脈硬化症について見てみましょう。
動脈硬化症とは、動脈壁にプラークという厚い層、コブができ、動脈の弾力性が低下し、動脈の内径も細くなって行く症状で、血液の流れが悪くなり、虚血性心疾患や脳血管疾患につながって行きます。これらの循環器疾患は、わが国の死亡原因の第一位となっています。
LDL(低比重リポタンパク質)は、肝臓から組織へ血液を通してコレステロールを運搬するタンカーです。比較的小さい分子で血管の壁もスムースに通過します。このタンカーが血管又は血管の内膜を通過中に活性酸素による酸化を受けて変質しますと、免疫システムは不要の異物と見なしてしまいます。
動脈壁では、単球由来のマクロファージはこの変質したタンカーを取り込みすが、マクロファージもまた泡沫細胞に変質してしまい、動脈壁にプラークを作って行きます。
コレステロールはエステルの形で針状の結晶となってプラーク中に留まることになります。
冠動脈の流れが悪くなって一時停止して起こるのが虚血性心疾患です。
プラークは動脈のコブとなり、内径も狭まってしまいます。
最終的には動脈は血栓となって塞がれてしまいます。脳梗塞の一部は心臓血管から来た血栓によっても引き起こされます。

活性酸素から考えられる望ましい生活習慣

過剰の栄養素と共に過剰の酸素は、活性酸素の危険性を高めると考えられます。
この観点から望ましい生活習慣は以下のようにまとめられます。

  1. 食べ過ぎない。質、量共にバランスのとれた食事をとる。
    • 特に脂肪をとり過ぎないようにする。(1日、60g以下)
    • 多価不飽和脂肪酸のバランス(リノール酸とα-リノレン酸、EPA、DHAの比率)に心がける。
      ファーストフードのとり過ぎは、リノール酸のとり過ぎが心配されます。
      魚からの脂肪を多くとりたいものです。
    • ビタミンE、ビタミンC、その他の抗酸化物質を充分とる。
  2. 適度の運動をする。運動をしすぎない。
  3. 規則正しい生活習慣を心がける。睡眠時間、食事の時間など。
  4. 禁煙する。喫煙の害には、活性酸素の発生も関係しています。
  5. 直射日光は浴び過ぎない。紫外線は、皮膚や眼球に活性酸素を発生させます。

(参考資料:日本薬学会編、健康とくすりシリーズ、菊川清見先生の『からだが錆びる、酸素ストレスによる生活習慣病』《丸善 1999》等)

(活性酸素については、健康食品ガイド「SOD」をご参照ください。)

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