キノコは、生物学上の分類では大部分が担子菌類【たんしきんるい】に属し、カビ(糸状菌【しじょうきん】)の1種となります。私どもが通常食用としている部分は子実体と呼ばれる胞子をつくる生殖器です。
キノコにはカビと同じ形の菌子体があります。
植物で言えば、菌糸体は根・茎・葉に、子実体は花・種子に当たると言えます。
キノコは「木の子」と書かれるように、木に生え木材を腐朽させます。
森林中の動植物の屍骸を虫やカビと共に腐らせ土に還して行く物質循環という点で重要な役割を果たしています。
キノコはまた茸(たけ)とも書かれますが、これはその形をセックスシンボルと見なした「猛り」または「長けり」に由来すると言われています。
日本人は山の幸として食用キノコを多く食べる民族です。キノコには毒キノコも多くあります。 日本には、300~400種類のキノコがありますが、そのうちの50種類程度が毒キノコと言われています。 食用はもとより毒キノコは、私どもの先祖が身をもって人体実験を積み重ねられた貴重な情報とも言えます。キノコの中で「カワラタケ」、「コフキサルノコシカケ」は癌の民間薬として知られていました。
次に中国の薬用キノコを見てみましょう。
神農本草経【しんのうほんぞうきょう】は生薬に関する世界最古の書物となりますが、キノコとしては茯苓【ぶくりょう】及び猪苓【ちょれい】が書かれています。
茯苓は「マツボド」の菌核を乾燥したもので、強壮、鎮静、利尿などの作用をもち、五苓散【ごれいさん】、桂枝茯苓丸【けいしぶりょうがん】、四君子湯【しくんしとう】等に配合されます。
また猪苓は「チョレイマイタケ」菌核の乾燥品で外見が黒く猪の糞に似ていることからつけられた名前です。解熱、利尿、止渇などの作用をもち、猪苓湯、五苓散等に配合されます。
霊芝【れいし】は不老長寿のキノコとして有名なものですが、「マンネンタケ」の子実体を乾燥したものが強壮・鎮静剤として用いられてきました。
冬虫夏草【とうちゅうかそう】は冬虫夏草菌の子実体とその寄生幼虫の屍骸を乾燥したものですが、主として病後の体の回復に用いられてきました。
これら中国由来の4つのキノコには、自然治癒力を増強する作用が予測されると思われます。
先ほど触れました民間の言い伝えを参考にした日本のキノコ研究から3つの制癌薬が誕生しました。
クレスチン、レンチナン及びソニフィランです。
クレスチンの有効成分は、「カワラタケ」の菌糸体から取り出されるPSKという分子量約10万のβ-グルカン・タンパク複合体です。
経口投与されます。
レンチナンの有効成分は、「シイタケ」の子実体から得られる分子量50万のβ-グルカンです。注射剤として投与されます。
またソニフィランの有効成分は、「スエヒロタケ」から得られる分子量45万のβ-グルカンです。注射剤として投与されます。
現在の癌の治療法は、手術による癌の摘出、各種の抗癌薬による化学療法及び放射線療法が中心となっております。
上記のキノコ由来の制癌薬は、いずれも限定された癌に対する化学療法または放射線療法との併用療法に用いられます。
これらのβ-グルカンは、癌細胞を直接殺す作用は持ちませんが、間接的な抗癌作用、人間の体が本来持っている免疫を賦活して制癌作用を発揮します。
化学療法や放射線療法には、正常な細胞に対しても悪い影響を与えるという大きな問題がありますが、免疫賦活作用には正常細胞に殆ど作用しないという利点があります。
また免疫賦活作用は、癌以外の病気に対しても有効性が期待でき、今後の研究の進展が多いに期待されます。
お隣の韓国のキノコ研究からはメシマコブが免疫賦活剤として誕生しています。このキノコは、野生の桑に寄生するタバコウロタケ科キコブダケ属のものと言われています。
β-グルカンを中心として、免疫賦活作用が期待されているキノコには以下のようなものがあります。 しかし薬としての作用を確認するまでには、更に多くの研究が必要なこを理解しておくことが必要です。
「エノキタケ」、「シイタケ」、「ナメコ」、「マイタケ」、「ホンシメジ」、「マツタケ」、 「キクラゲ」、「マンネンタケ(霊芝)」、「ホウキタケ」、「ハナビラタケ」などなど。
このうち人工栽培される「シイタケ」は、子実体が食用となりますが、成分的には菌糸体も注目されているようです。また培地もホダ木以外の種々のものが研究されています。
また「マイタケ」については、アメリカで多くの研究がなされています。
β-グルカンは、ブドウ糖がセルロースのようにつながった多糖類高分子ですが、食物繊維の1種ともなります。
食物繊維は良いお通じをもたらす以外にも、発癌物質や体に有害な脂肪やコレステロールなどの消化管吸収を妨げます。キノコの食用はこの点からも利点があると言えましょう。
ブラジル由来のアガリクス茸もその強い免疫賦活作用が注目されるキノコです。
アガリスク茸は南米と北米南東部に自生する、担子菌類・ハラタケ科のキノコで、その学名は、Agaricus Blazei Murril となります。 日本名は「カワリハラタケ」ですが、「姫マツタケ」と言う名前が商標登録されています。 ブラジルサンパウロ郊外200kmのピエダーテ山地は、癌や成人病が少ない長寿の里と知られていました。 1965年に米国のW.J.シンデン博士とE.D.ランバート博士が現地調査され、現地では神の国のキノコと呼ばれるアガリクス茸(子実体)の食用が浮かび上がってきました。 アガリクス茸はレーガン大統領が皮膚癌の手術後に使用され一躍有名になりました。 栽培が難しく現地での生産量はせいぜい10トンと言われています。 シンデン、ランバート両博士の現地調査とほぼ同時期に、ピエダーテ近郊で農業を営んでいた日系人の古本隆寿氏は、このキノコに注目して種菌を研究用として日本に送られました。 この後日本での栽培法を含めての研究が大いに進みました。 現在日本の市場に出ているアガリクス茸商品は数え切れないほどあります。 多くの需要があり、それなりの効果がでている結果と思われます。 アガリクスを試してみる価値は充分あると考えます。
しかし商品を選ぶに当たっては、産地、栽培環境・条件、加工方法、品質などを充分に吟味することが大事です。この点ブラジル現地産で、形・品質が間違いないもの、更に免疫賦活作用の中心となるβグルカン含量、その他の成分含量が確かめられているものが安心できます。 アガリクス茸の実際の病気に対する効果については科学的・総合的に整理・集計して行くこと、商品については効果を裏付ける品質を明確に示して行くことがこれからの課題と言えます。
(アガリクスについては、健康食品ガイド「アガリクス」をご参照ください。)
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