肥満とダイエット

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脂肪税

と言う言葉をお聞きになったことはありませんか。
アメリカで大きな話題となった言葉です。
ポテトチップス、ハンバーガー、フライドチキンなどの高脂肪食品にタバコと同様の高い税金をかけようというものです。嫌煙運動から30年、誰が今のようにタバコ会社が信じられないほど多額の健康保障費を支払わなければならない時代を予想したでしょうか。
アメリカの肥満人口は、1988~1994年にかけての調査で成人の22.5%、それが30年後には50%を超えるのではないかと心配されています。肥満は動脈硬化、高血圧、脳卒中、心臓病死などの原因となり、それらにかかる治療費は年1,000億ドルに達し、肥満が原因の死亡者は年30万人を超えると言われています。タバコに次ぐ予防可能な死とまで言われているのです。
1990年代前半から「高脂肪食品追放運動」の必要性が高まっているのです。

このような事態を改善しようといろいろな研究もなされています。
その一つがノンカロリー脂肪代替品です。プロクターギャンブル社は、30年間、2億ドルの費用をかけてオレストラを開発しています。これは植物性脂肪と糖からできた分子量の大きな化合物で、脂肪と同じ風味を持っていますが、腸内では消化・吸収されません。
しかし実用化に当たっては、カロチン類の吸収に与える影響などの安全性の面で疑問も多く出されています。幅広い理解を得るには相当の時間が必要と思われます。
日本で使われ始めたエコナクッキングオイルは、アシルグリセロールでノンカロリーではありませんが、普通の油に比べて血中の中性脂肪を半分程度にすると言われています。

肥満

肥満とは、摂った栄養分が使う栄養分より過剰となり、栄養分が体に余分の脂肪として蓄えられてしまうことです。体に蓄えられる脂肪は、摂られた脂質以外に糖質からも作られます。脂肪は皮下にも蓄えられますが、内蔵につく脂肪がさまざまの病気にむすびつきやすい特に怖い脂肪となります。
人間の体には、必要といえる体脂肪があります。体脂肪率で言えば、男性で約20%、女性で約25%が通常の数値となります。水分は50~60%となります。体脂肪率から見た肥満の目安は、男性で25%以上、女性で30%以上となります。体脂肪率を直接測定する方法はありませんので、体密度法、二重X線法、インピーデンス法、超音波法等の間接的方法がとられます。しかしこれらの間接的方法には、特別の装置を必要とする又は測定の誤差が大きいといった欠点があります。
日本肥満学会では、体重と身長から求めるBMI(Body Mass Index : 体格指数又はカウプ指数とも言われます)から肥満の程度を測る方法をきめています。

BMI=体重(kg)/身長(m)2

日本人では男女ともBMIが22の場合最も有病率が低いことから、18.5以上25未満を普通、25以上30未満を過体重、30以上40未満を肥満、40以上を高度肥満症、また 18.5未満をやせとしています。

(BMIに基づく標準体重kgは、身長(m) X 身長(m) X 22で計算できます。

身長150cmの人では49.5kg、160cmの方では56.3kg、170cmの方では63.6kg となります)
先にアメリカ人の肥満に対する心配について述べましたが、アメリカではBMI 30%以上を肥満としています。肥満者の普通の方に比べての死亡率は、糖尿病で5倍、高血圧で3.5倍、血管障害(脳、心臓)で2~2.5倍に増えると言われています。

●あなたは太っていますか?(簡単な判定方法)

肥満の定義
「肥満」とは、脂肪組織が正常以上に増加した状態

肥満の判定基準
BMI(ボディ・マス・インデックス)という体格指数がよく用いられる

BMI=体重(kg)/身長(m)2

例)体重 66kg 身長 160cm の場合
66/(1.6)2 = 66/(1.6×1.6) = 66/1.6/1.6 = 25.78125 → 25.8

BMIに基づく標準体重(kg)=身長(m) × 身長(m) × 22

例)身長 160cm の場合
1.6×1.6×22 = 56.32 kg

BMIの判定基準
40以上 「高度肥満症」
30以上40未満 「肥満」
25以上30未満 「過体重」
18.5以上25未満 「普通」
18.5未満 「やせ」

日本肥満学会の診断基準(1999年10月制定)

●肥満(BMI≧25以上)の割合の変化

肥満の割合の変化

肥満は20年前と比較すると極端な増加傾向にあります。
特に男性の肥満が増加したのが特徴です。
また、女性は高齢者の肥満傾向が目立つようです。
女性は特に更年期になると太る傾向があります。

●やせ(BMI<18.5未満)の割合の変化

やせの割合の変化

痩せている人の割合は20年前と比較すると10~30代にかけて増加傾向にあります。
多分最近のダイエットブームを反映していると思われます。
特に女性の場合は、不妊症や骨粗鬆症の心配が懸念されます。

肥満の素因

また肥満には、遺伝的素因が30%、食事や運動などの後天的素因が70%と言われています。
運動不足と飽食の社会では、必然的に肥満が増えてきます。しかしこのように食が豊かになったのは、つい最近のことです。人類は永い間飢えてきたのです。飢えが普通だったのです。体は摂れる時には少しでも栄養を蓄えようとします。その大部分がエネルギー効率の良い脂肪として蓄えられるのです。
女性の体内脂肪率が高いのは、出産・哺乳等に対応する体の構造になっているためと考えられます。
健康面では、体に少し余分の栄養を蓄えているのが望ましいとの考え方もあります。
食事習慣では、早食い、ドカ食い、夜食、ジュース・コーラなどの糖質飲料の多飲等が肥満の原因となります。大脳の視床下部に満腹中枢がありますが、早食いは満腹感を感じさせる前に余分の食事を摂ってしまうからです。一口ずつ、ゆっくりよく噛んで食べることが大事です。食物繊維の多い硬いものを食べることもこの助けになります。
日本には「腹八文目に医者いらず」と言うことわざがありますね。
ロシアとフランスの同様なことわざを紹介しておきます。

ロシア「断食しても死なないが、節度なしに食べると死ぬ」
フランス「節度なしに食べるほうが、剣より一層人を殺す」

ダイエット

ダイエットと言う言葉は、上座・下座のない丸テーブルから始まり、食事を載せる丸テーブルからバランスの取れた食事となったと言われています。
しかし一般には、肥満を正常体に戻す、又は肥満とはいえない体形をよりスマートにシェープアップする美容上の減量方法(食事、運動)に使われています。
後者はプロポーションを気になさる女性に多く見られるものですが、方法を間違えますと大変なことになります。前者の病的肥満の治療に合わせて、ダイエットのあり方について考えて見たいと思います。

まずエネルギーの点から見てみましょう。人が生きて行くために最低限必要なエネルギー(基礎代謝量)があります。室温(20~25゜C)でベットにゆったり横たわり、摂取した食物の消化吸収がなくなっている状態で測定されます。寝ていても、肺や心臓は動いていますね。

1日の基礎代謝エネルギーは、20才代の男性で1,500キロカロリー、女性で1,200キロカロリーです。年を取ってきますとこのエネルギーは低下して行きます。
35才を過ぎても20代と変わらない食事を続けていれば、普通には肥満してきます。
これが中年肥りです。体重管理に充分の注意をして行きたいものです。男性では20才の時の、女性では18才の時の体重が、標準体重の一つの目安となります。
人にはその他の仕事をするエネルギーが必要となりますね。そのエネルギーは、仕事の種類によって当然変わってきます。労働の軽い重いによって幅がありますが、20才代の男性で1日2,250~3,550キロカロリー、女性で 1,800~2,800キロカロリーとなります。
50才代では男性で2,000~3,150キロカロリー、女性で1,650~2,600キロカロリーです。

自分の年や労働の軽重を考えて、適正な体重を維持して行くことが大事といえます。
また極端なダイエットは、体重と共に健康はもとより命まで減らしてしまうことになります。

次に栄養素の質から見てみましょう。基本的な3大栄養素は糖質、タンパク質と脂質になりますね。脳、神経や赤血球のエネルギーは、糖質から供給されるブドウ糖となり脂質やタンパク質では代用できません。糖質はどうしても必要となります。
(ブドウ糖は肝臓にグリコーゲンとして蓄えられ、大事な脳や赤血球などの非常食となります。)

体の基本単位となる細胞の寿命を見ますと、心筋等の生きている限りの寿命から、永久歯の約60年、頭髪の男性約4年(毎日約60本が生え変わる)、女性の約6年(毎日約50本が生え変わる)赤血球の120日、表皮の28日といったものがあります。もっと短いものもあります。
胃腸の表面粘膜細胞で3~4日、白血球は9日、精子は3~10日(卵子は10~20時間)と言われています。凄いスピードで再生(ターンオバー)されていることが解ります。
これら細胞の建材の第一がタンパク質、次いで脂質(細胞膜用など)となります。
タンパク質や脂質が供給されないと細胞は再生できないのです。食物からはタンパク質はアミノ酸の形でまた脂質は脂肪酸の形で供給されます。

体に必要なアミノ酸は20程度ありますが、人の体の中で合成されないものを必須アミノ酸と言います。
メチオニン、スレオニン、トリプトファンなどの8種です。また必須脂肪酸としては、リノール酸、γ-リノレン酸及びアラキドン酸があります。これらはビタミンFと呼ばれていた時代もありましたが、普通程度の植物油(1日20g程度)を食べていれば問題ないので今ではこの言葉は使われないようになりました。

1日30種類の食物を摂ろうと言うスローガンは、これらの3大栄養素と共にビタミン・ミネラル・食物繊維などをバランスよく食べようというものです。繰り返しますが、再生する細胞をつくるタンパク質や脂質、また脳や赤血球のエネルギー源となる糖質は減らせません。更には抵抗力や予備力まで落としてはいけないのです。皮下脂肪は人の体を外から守るためにも必要です。女性では、艶やかな美しい肌の源でもあります。しかし無謀な減量は、貧血、免疫力の低下等に加えて、肌をかさかさにし、美しい髪まで無くしてしまいます。
美容が目的のダイエットをなさる方は、特にこれらのことをよく心得て頂きたいと思います。
余分の貯蔵脂肪、特に内臓に付く脂肪は減らさなければいけません。肥満の方は標準体重に近づけることが望まれます。余分の脂肪を減らす方法には節食と運動がありますが、その速度は1ヶ月に1~2kgに留めるのが無難です。運動は筋肉活動によって脂肪を燃やすことにあります。
年配の方には、ウォーキングや水泳が適しています。
脂肪を燃やす筋肉を保持すること、それらの筋肉をこまめに無理なく動かすことがポイントです。
1ヶ月に10kg以上もやせたと言う宣伝を見かけることがありますが、その大部分は水分が減ったのだと思います。体脂肪は体重ほど簡単には減らせないのです。
(体重58kgの人が、1ヶ月間完全に断食して(毎日の食事を1,800キロカロリーとする)減らせる体脂肪はほぼ8kgとなります。また毎日1時間のウォーキングを1年間続けて減らせる脂肪も大体8kgと計算されます)

体脂肪を増やさない食べ方と留意事項のおさらいです

  1. 脂肪や糖質を必要以上に摂らない。特に脂肪の絶対量を減らす。
  2. 早食いをしない。よく噛んで食べる。
  3. どか食いをしない。
  4. 寝る前に食べない。
  5. 食物繊維の多い野菜をたっぷり食べる。
  6. 適度の運動を続ける。
  7. 時々体重を確かめる。また体形から内臓に脂肪が増えていないことを確かめる。

肥満とダイエットについてもっと詳しくは

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