大豆イソフラボンは大豆胚芽に多く含まれるフラボノイドの仲間です。イソフラボンは、体内で女性ホルモンと同じようなはたらきをするので、植物由来のエストロゲンと言われています。特に更年期の女性に摂取がすすめられます。
女性ホルモンは月経、妊娠、出産、授乳といった女性特有の性機能を調整するホルモンで、視床下部 - 脳下垂体 - 卵巣の組織から分泌されているホルモン間のバランスによって調整されます。 大豆イソフラボンは女性ホルモンの分泌が低下している時にはその補充として、 逆に分泌過剰の際にはその作用を緩和させるように働くと考えられています。
大豆や大豆加工食品中に存在が認められるイソフラボン類は15種あり、主なものはダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインです。 これらのイソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンの構造によく似ています。 したがって、鍵と鍵穴の関係で言えば、イソフラボンは鍵である女性ホルモンによく似ており、女性ホルモンの鍵穴(女性ホルモンの受容体)に収まることができるため、弱い女性ホルモン様の働きが認められ、フィトエストロゲン(植物性女性ホルモン)と呼ばれています。
大豆イソフラボンは、大豆の胚芽の中でも杯軸に多く含まれるフラボノイドの一種です。体内で女性ホルモンと同じようなはたらきをするので、「植物由来のエストロゲン」とよばれています。特に更年期の女性に摂取がすすめられます。
女性ホルモンのエストロゲンはカルシウムをコントロールする物質のひとつです。
体内のカルシウムは99%が骨や歯に存在し、残りの1%が血液中や筋肉、脳にあって、神経のいらだちを抑えたり、心臓の活動を守るなどの働きをしています。
カルシウムの摂取が不足すると、骨からとり出して血液中のカルシウム量は一定に保たれるのですが、エストロゲンはカルシウムが骨から過剰に解け出るのを防ぐ作用をもっています。
無理なダイエットをしたり、更年期になると、エストロゲンは減少するのでカルシウムは失われ、骨がすかすかになる骨粗鬆症を招きかねません。
さらに、更年期のイライラやのぼせ、肩こり、冷え、不安愁訴といった不調は、エストロゲンの減少からおこることが多いと考えられます。
1. 閉経後タイプ
閉経後、エストロゲンの急激な減少と共に、女性は10~20年かけて骨粗鬆症になります。
この場合は骨粗鬆症の進行と共に腰背痛、背中が丸く曲がるなどのほかに、大腿骨骨折により”寝たきり”となり、生活の質(QOL)を悪化させ、さらに老人性認知症などの併発を生じます。老後を寝たきりで過ごさないためにもサプリメントの必要性を再認識してください。
2. 閉経前タイプ
閉経前、エストロゲンの減少に伴う骨粗鬆症の場合は、1.の閉経後タイプと比べ年齢が若いということが特徴であるため骨代謝が早く、いったんエストロゲンの欠乏が起こると、骨粗鬆症は速やかに起こります。閉経前における卵巣の摘出、若年女性における卵巣機能の未発達、無理なダイエットによる無月経、激しい運動による体脂肪減少に伴う無月経の方は、将来に向けて十分なサプリメント補給が必要になります。
京都大学の疫学的な調査では、骨の丈夫な人はイソフラボンを多く摂っており、 その摂取量の平均は、1日40mgであることが報告されています。 また、大豆イソフラボンが女性ホルモン様の作用を持つことから、更年期の不快な症状の緩和にも利用できます。 さらに、卵巣を摘出したラットにイソフラボンを含んだ大豆食を与えると、骨密度の上昇が報告されています。
今までは、骨粗鬆症に必要なサプリメントは、ただ単に骨とカルシウムの関係からカルシウムの摂取をうたっていました。
しかし、ミネラルの排泄のホルモンから考えると、カルシウムの摂取だけでは不十分であることにお気づきいただけたと思います。
病気の成り立ちから考えて、その結果をただ単にとるような対症療法ではなく、病気の成り立ちから考えて、その原因を除くために、必要なサプリメントをとることをおすすめします。
イソフラボンの摂取に加え、カルシウムとマグネシウムを、2対1の割合で摂取すると骨密度を維持するために効果的です。
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